万博で空前のホテル高騰の関西、1泊4990円からの裏技「ふね泊」が登場「特別感ある」

2025年大阪・関西万博が開催されている大阪府には国内外から多くの観光客が訪れ、ホテルなどの宿泊料金の相場が高騰している。

» 2025年06月17日 13時32分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 2025年大阪・関西万博が開催されている大阪府には国内外から多くの観光客が訪れ、ホテルなどの宿泊料金の相場が高騰している。週末や連休にはビジネスホテルでも1泊1人2万円程度まで跳ね上がっており、予約も取りづらい状況の中、より手頃な価格で宿泊できるよう、フェリーを活用した宿泊プランも登場している。

宿泊プランの提供を開始したジャンボフェリー(同社提供)

 神戸から高松間でフェリーを運航する「ジャンボフェリー」(神戸市)では、万博開催などによる宿泊費の高騰から、今年2月、船を宿替わりに利用できる「ふね泊」のプランを始めた。プランは午後7時台に神戸港を出発後、高松港を経由して往復し、翌午前5時に神戸港に到着する。事前に申し込めば、最長で午前7時まで船に滞在でき、実質神戸市内に宿泊したのと同じになる。

フェリー内には最大3人が宿泊できる「ロフト個室」(ジャンボフェリー提供)やバルコニー付きの個室などの部屋も

 通常運行しているフェリーのロフト個室などを活用したことで、価格は1泊1人4990〜9990円と安価に抑えた。フェリー内には軽食をとれるカフェ、浴場、足湯、お土産ショップも完備されている。軽食はフェリーが運航されている瀬戸内海の名産品にちなんだものが数種類用意されている。

フェリー内には浴場(左)と足湯もある

 夫婦で「ふね泊」を利用した兵庫県西脇市の会社員、倉橋聡美さん(23)は「費用を抑えられるところが魅力に感じた。フェリーに泊まれる特別感もある」と話した。

お土産コーナー(左)やカフェ(中)も。うどん(右)などの軽食を楽しむこともできる

 大阪府内の宿泊価格の高騰は、夏休みを迎える7月に向けてピークを迎えるという見立てもある。ホテルの企画・開発などを支援する「カソク」(東京都新宿区)が、万博開催に伴い今年4月に大阪市内の本町・堺筋本町エリアの一部ホテルに実施した調査によると、客室単価は平均で16107円(前年同期比163.1%)となった。また、稼働率も昨年同期比から5ポイント増加の約97%に上ったという。同社は5、6月にも稼働率は高い水準で推移するとみており、夏休みを迎える7月には価格や稼働率はピークを迎えるとしている。

 大手ビジネスホテル「アパホテル」によると、5月の大阪府内の直営全店の平均客室単価は約1万4千円と前年同期と比べて約50%上昇。稼働率は4、5月で100%で、万博開催による需要の高まりが見て取れる。(堀口明里)

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